くらし情報『突然失禁、母が認知症に 松島トモ子語る「老老介護は恩返し」』

2020年2月24日 11:00

突然失禁、母が認知症に 松島トモ子語る「老老介護は恩返し」

その後、引揚船で命からがら帰国しました。『赤ん坊を船に乗せたら死んでしまう。(中国に)置いていけ』と何度も言われたそうですが、母は、『この子を無事に連れて帰れたら、もう一生、自分自身の望みごとはしません』と神様に祈って、決心を変えなかった。同じ船で生き残った乳飲み子は、私を含め2人だけでした」

その後、父はシベリアで亡くなったことが判明する。親子の長い旅路が始まった。それからも、松島さんと志奈枝さんは、常に一緒だった。

「(認知症が)発症して1カ月後、とうとう私は慣れない介護の疲れとストレスで倒れてしまった。診断はストレス障害。
体重も40キロから33キロになって。周りからは『共倒れになるから介護施設に入れたほうがいい』と言われました。でも母は昔、旧満州から幼い私を抱えて命がけで日本に戻ってきてくれた。それを思うと、今度は私が恩返しをする番じゃないかって。でも、何がいいかは、ご家庭で違います。施設に預けたほうがいいこともありますからね」

大変な日々が続くからこそ、母と過ごすなんでもない平凡な1日が幸せ、と思うようになった、と語った松島さん。完璧な母親のまま亡くなっていたらきっと立ち直ることができなかった、と言葉を続けた。

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