くらし情報『大川小の津波被害から生還「人を助けるため警察官になりたい」』

大川小の津波被害から生還「人を助けるため警察官になりたい」

「大川小の敷地で50回以上ガイドしてきましたが、見学者の中には観光気分で、校舎をバックにピースして集合写真を撮る人もいる。どんな場所かくらいは予習してきてほしいんです」

校舎は’16年3月に「震災遺構」として保存されることが決定。「校舎を残してほしい」と訴えてきた哲也さんの願いはかなったが、「どんな形で残るか」の具体的説明はないまま工事に入り、嵩上げなどが進んでいる。

「『校舎を見ると思い出してつらい』という方もいるため“公園化”も悪くないんですが、教訓を伝えられるように、景観を一変させないでほしい。自分は被災を『千年後にも伝えたい』という思いでいます。『復興』だけではなく、忘れずに振り返ることも必要です」

哲也さんは成人式も終え、自身の将来像をこんなふうに描く。

「芯が強く、人の恩を忘れず地元で信頼されている祖母(=アキ子さん・73歳)の影響も強いんですが、緊急時や災害で人を助ける仕事に就きたいと思っています。地域密着で仕事したいので警察か消防でしょうが、この巨体(95キロ)では火災時に閉所にも突入しなくてはいけない消防士は不向きでしょう(笑)。
柔道(二段)を生かせる警察官を志望しています」

(取材・文:鈴木利宗/撮影:加藤順子)

「女性自身」2020年3月24・31日合併号 掲載
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