新型コロナで終わる“観光立国”の正体…“安い国”になった日本
苦しいのは現役世代だけではない。厚生年金の平均支給額も’12年と比べて月5,500円も減っている、一方、食品の物価は11.4%上昇した。
■年金(※「日本年金機構の主要統計」と「2015年基準消費者物価指数」より。厚生年金保険〈第1号〉受給者の平均年金月額〈国民年金額を含む〉)
【厚生年金の平均月額】’12年:15万1,374円→’19年:14万5,895円(※2019年9月の数字)
【消費者物価指数(食品)】’12年:93.6%→’19年:104.3%
「安倍政権のもと、年金の支給額上昇を抑制する『マクロ経済スライド』が2度発動されました。今後も、物価や賃金が上昇しても、年金の支給額は抑えられることになります」
安部首相が実績として誇ってきたのが株高だ。’12年には1万円以下に落ち込んでいた日経平均株価を2万円台まで上昇したのだが……。京都大学大学院教授の藤井聡さんはこう見ている。
「日本の株式市場そのものが“粉飾決算”のようなものです。
年金資金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、’14年に国内株式の投資比率を12%から25%に引き上げました。また、日本銀行も政策で国内の株を大量に買っている。