新型コロナで終わる“観光立国”の正体…“安い国”になった日本
上昇した株価はいわば官製相場なのです」
両者が国内株式に出資した金額は合計66兆円超で、その割合は2019年3月末時点で東証一部の時価総額の11.2%、その後も買い入れを進めてきた。現在の世界同時株安によって、日経平均株価は1万7,000円ほどに落ち込んだが、日銀やGPIFがどの程度の含み損を抱えているのか、今後どこまで拡大するのか、まだ不透明な状況だ。
そもそも、株価が上がっても、日本は一向に経済成長をしていなかったという。
「ある一定期間に国民全員がどれだけの価値を生み出したかを示すGDPの実質成長率は、安倍政権下では’13年こそ2.0%でしたが、その後は1%台と0%の年が交互に並ぶような低成長。他国と成長率を比べてみると、’12年でも成長率の順位は136位でしたが、’19年には172位まで落ち込みました」(山家さん)
日本を除く多くの国がGDPを増やすなか、日本は長らく横ばいの状態が続いている。最大の原因は「2度の増税による国内消費の落ち込み」(藤井さん)だという。
経済協力開発機構(OECD)加盟国に限っても、各国が平均賃金を’12年から5%程度、韓国に至っては13%伸ばしたなか、日本の賃金はまったく増えなかった。