課題はあるが…先駆けて検査行う医師が話す抗体検査の必要性
当院では検査した30人のうち陽性者は1人。まだ集団免疫には時間がかかるという印象ですが、全体像を知るためにも、こうしたデータの積み重ねは重要です。今後は、検査で陽性となった人たちが、自粛が続く経済活動や社会活動を支えられる存在になれればと思っています」
日本医師会も厚労相に抗体検査の速やかな普及を要望している。では、私たち一般人はいつから、どのくらいの費用で受けられるようになるのだろうか。
「治療に直接関係しない検査なので自由診療となり、当院での検査費用は5,500円です。最初は医療従事者に限っていましたが、今は一般の人にも提供しています。検査の手法は非常に簡単なので、保健所などの専門機関でのみ受けられるPCR検査と違って、街中のクリニックで対応できます。導入するクリニックや検査キットの供給量が増えれば、すぐにでも検査はできるはずです」
では、供給体制はどうなのかというと、繊維メーカーのクラボウは、現状1日1,000キットを目安に供給。
医療機器ITのセルスペクトも大学や医療機関に研究用として発売しており、今後は体外診断薬としての承認も目指すという。スイスの大手製薬メーカーであるロシュは、5月中をめどに抗体検査キットの承認申請を日本でする予定で、日本の供給体制は整いつつあるようだ。