コロナ中に焼死 とんかつ店主零していた弱音「実家に援助を」
彼女たちがまだ幼いころ、ブログでこんなこともつづっていた。
《3人とも親孝行な子供たちだけれど、七夕の短冊に、次女は、「パパを受け継いで、店で働きたい」と毎回書いてくれている》
またAさんの趣味はマラソンだったが、その理由の1つについてこう明かしている。
《朝、スタート時の僕が走っている姿を、子供たち3人に見てもらえればと考えていた。逆に、走っている姿を見てもらうことで、子供たちへ、何事にもあきらめない気持ちが伝わるのでは、という願いを心に秘めて》
Aさんは昨年12月に東京五輪の聖火ランナーに選ばれて大喜びしていたという。近所に住む知人は言う。
「申し込みのための文章を奥さんやお子さんたちに何度も添削してもらったそうです。晴れ舞台で走る姿をご家族に見せることを楽しみにしていたでしょうに、それも延期になってしまって……」
聖火ランナーとしての疾走、娘たちとの店の切り盛り……、Aさんが夢見ていた未来ものみ込んでしまった新型コロナの猛威に、あらためて慄然とせざるをえない。
「女性自身」2020年5月26日号 掲載