2020年5月22日 06:00
3日で50枚…林家たい平「子供のために作ったオリジナルマスク」
親父が生きていたら、母親が元気だったら、きっと、同じことをしただろうなと思って」
もともと武蔵野美術大学のデザイン学科を出ており、落語家のなかでも絵心のあることで知られる。
「うちにも2台のミシンがありましたから、4月頭に、ふだんはイラストなどを描く仕事部屋に持ち込んで、いわば家内制手工業のマスク工場にしたわけです。僕ら落語家は、材料には困りません。正月や独演会などのたびに、落語家同士で交換する手ぬぐいがたくさんありましたから。ゴム紐は、うちの子どもたちが運動会の紅白帽に付けていた残りを使ったりしました」
仕事がなく、おまけに雨の日などは、気付けば、一日中、ミシンに向かっていたこともあった。
「ガタンガタン縫い始めて、まず3日で50枚。てこずったのは、マスクにプリーツを付けるとき。気を付けたのは、落語家の名入りが多かったので、その名前じゃなく、かわいい絵柄が目立つようにしたこと。
だって、顔の真ん中におじさんの名前じゃかっこ悪いでしょ!」
9日後、100枚のタイヘーマスクが完成。
「まずは、僕の生まれ故郷の秩父の、子どもたちが集まるたい焼き屋さんで30枚配ってもらいました。その後、自分でも配ろうと思って、公園などを回りましたが、恥ずかしくて配れなかったんです。