2020年6月10日 06:00
コロナ集団感染乗り越えた老人ホーム明かす「1人で30人をケア」
傘下には多数の病院や医療施設がある。
「規模が小さい多くの施設では、介護崩壊が起きていたはず。それを表に出せず、新型肺炎で亡くなっても、死因を老衰ということにして、内々に処理している可能性を懸念しています。実際に風評被害がありますからね。北砂ホームでも職員のお子さんが保育園の利用を断られたり、近隣住民からのクレーム電話もあったりしました」
感染者を出した施設の実態をある介護関係者はこう語る。
「感染が起きれば嫌がらせの電話がかかってきたり、感染を恐れた職員がボイコットをするケースも聞きました。風評被害は数年単位で続く可能性があるので、地域で最初のクラスター発生場所にだけはなりたくないと、皆さん考えています」
今回のコロナ禍によって、難しい選択を迫られた介護施設もある。
「4月上旬、うちの施設への入居が決まっていた方が、新型コロナの疑いでPCR検査を受けていたことがわかりました。
受け入れていいのかどうか、相当悩みました」
そう語るのは、有料老人ホーム「ホームピア」(東京都)代表の佐藤明子さんだ。
「入居者は18人。がん闘病中や、人工透析が必要な方が多いので、クラスターが発生したら多くの死者が出るかもしれない。