くらし情報『「助産師として私が救う」16万超の中絶される命を守る決意』

2020年7月6日 11:00

「助産師として私が救う」16万超の中絶される命を守る決意

それは、年間16万数千人の女性が中絶を選択していること。それに、やっとの思いで生まれてきても、生まれたその日に殺害されてしまう子が、決して少なくないという事実だ。

「過去15年間、毎年、厚生労働省が発表していますが、最新の報告によると18年、生後0日で殺されてしまった赤ちゃんは発覚しているだけで14人もいます。そして加害者のほとんどは実母なんです。産んだものの育てることができない赤ちゃんを、人知れず託すことができる、それが赤ちゃんポストでした。だったら私は、ポストではなくドアを作ろう、そう思ったんです」

永原さんは、子供の命を守るのと同時に、母親の心にも寄り添いたいと考えたのだ。

「どんなお母さんだって、必死な思いで産むんです。そうやって産んだ子を置いて、立ち去るときの気持ちを考えたら、もういたたまれなくて。
それで、ポストではなくドアにしたいと思ったんです」

勇気を振り絞ってドアを開けてくれたら、『あなたは命を捨てるためにじゃなく、守るために来てくれたんだね』って、声をかけてあげられる――。そんな思いを胸に、永原さんの活動は続いていく。

「女性自身」2020年7月14日号 掲載

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