2020年8月13日 10:47
うつやPTSD招くことも…ICU医師が警鐘するコロナ後遺症の危険
によって弱まるという点が加わります。たとえば意識障害が出て呼吸器の管を引き抜こうとする場合、通常なら、そばで声をかけて麻酔や鎮静薬を使わくてもいいようにします。しかし、コロナの場合はそういうこともできないため、薬を使わざるを得ないことがあります。
また家族との面会もできないといったこともコロナでの後遺症を招く要素にもなっています。家族とも何カ月も対面できず、心理的にも問題が出ておかしくはないのです。こうした後遺症はSARSやMARSが流行した際も同じことが言われていましたが、今回は世界的に症例数も多いので目立っているのだと思います」
ここまでICUでの治療が必要な重症者の後遺症について触れてきたが、決して無症状や軽症患者にとっても他人事ではない。讃井先生は警鐘を鳴らす。
「確かに重症患者には、後遺症が高頻度に起こるであろうと思っていましたが、日本や世界で退院する患者が増えるにつれ、軽症・中等症でも一定数の患者が後遺症に苦しんでいることを知るようになりました。
まだこれから長期間で研究しないと確かなことは言えませんが、そうしたことがわかってきています。
無症状であっても、体に痕跡がゼロという訳ではないこともあるのです。