医師語るコロナ後遺症「日常生活がままならないほどの倦怠感」
ヒラハタクリニックを訪れる患者が訴える症状のなかで、特に深刻なのが“倦怠感”や“食欲不振”だと平畑院長。
「うちに来る患者さんで症状が特にひどい方は、『歯ブラシを持つのもつらい』とか、『歯を磨くために風呂の浮力を利用しています』なんておっしゃるほど。強い倦怠感で日常生活や仕事に支障をきたしている方が多いんです。先日も、小さな子どもが2人いる40代の女性がいらして、体がだるくて子どもの世話をまったくできなくなってしまった、と。ほかにも、ほとんどモノが食べられなくなったという30代の女性も来ました。痩せ細っていく妻を、旦那さんがオロオロ心配しておられて……」
しかし、こうした症状を訴えても、「どこも悪くない」と治療すらしてくれない病院が多いという。
「海外では研究が進んでいますが、日本ではまったくコロナ後遺症が認知されていません。そのため医師からは、『心の病いだ』と診療を放棄され、家族からは『なまけている』と叱責され、勤務先からは『さぼっている』と思われて、派遣やパートを辞めさせられた人も多いと聞いています」
平畑院長は、今後の治療に役立てるため、症例のデータベース化を進めている。