シャンシャン返還延期に その丸い肩にかかった“パンダの未来”
日本にいたらできないことがたくさんあるんです。特に、大事なのがパートナー探し。このまま日本にいて、お婿さん候補のオスパンダが1頭やってきても、相性が合うかどうかわからない。
中国に行けば、お婿さん候補はたくさんいます。中国でいちばん相性の合うお婿さんを見つけて、新しい家族を作ることが、シャンシャンにとっていちばん幸せなことだと思いますから」
上野動物園の元園長で、日本パンダ保護協会の会長である土居利光さんもこう話す。
「シャンシャンは、次の世代のよい子どもを作るため、パンダ本来の生活の基礎を作るために、中国に戻るんです。中国は日本と違って、たくさんパンダがいますから、たぶんシャンシャンも大丈夫。よいパートナーが見つかりますよ」
野生のパンダは現在、1,864頭。
飼育下のパンダは、飼育方法が確立してきて寿命が延び、増えてもいるが、それでも多くはないという。
「そんななかで、シャンシャンは若いパンダなので、次の世代を担っていく。将来的には自然保護区みたいなものを充実させて、パンダが自然の状況に戻っていけるといいなと思うんです。シャンシャンが中国に戻って、話題になって、パンダは大事にしようねっていう雰囲気になって、パンダのための自然保護区を充実するとなったら、それは、パンダの周りの動物も守ることになるんです。