ぜん息薬、皮膚病薬…“コロナで不足する薬”の共通点
まだ入荷が遅れ気味という状態で、(海外からの薬品流通が)100%という状態に回復するためには、まだ時間がかかる、と考えています。いま服用いただいている患者さんの手元に届けられるぐらいの在庫はあります。しかし、たとえばほかの会社さんが出荷調整されたことで、当社に新たにご注文いただいても受けられる状況ではなく、その点を発信しました」
現在も海外からの薬品供給は“微妙な状況”にあるようだ。公益社団法人日本薬剤師会の担当者もこう語る。
「今年に入ってからも、供給の不具合で、納品ができなくなっている薬品があるようです。コロナ禍の影響と考えられますが、たとえば原薬の原産地がインドだとしても、加工のためにほかの国も経由することがあり、どこかの地点で輸送が滞ってしまうこともあるのです」
■想定外の需要の急増で、患者に回らないケースも
新型コロナ変異株も世界中で確認されており、一気に物流が止まってしまう危険性も否定はできない。この流通の問題以外にもコロナ禍の薬品不足の原因として指摘されている問題があるという。それは“思わぬ需要の急増”だ。
前回の取材で、ある薬剤師は、こう指摘していた。
「吸入薬のオルベスコ(一般名はシクレソニド吸入剤)