森永卓郎さんでも陥った“相続地獄”回避のポイントを伝授
金融機関は500以上ありますので、親の死後、口座があるか問い合わせるだけでもひと苦労。気づかずに、消えてしまう口座もあるかもしれません」(森永さん・以下同)
10年以上出し入れのない休眠口座の預金額は毎年1,200億円にものぼるという。さらに、タイムリミットがあるのもやっかいだ。相続税の申告と納税は、親の死後、10カ月以内に行わなければならない。
「四十九日法要が終わるまではバタバタしていますから、申告作業は実質8カ月ほど。漏れがあれば脱税になりますし、相続税の支払い期限を過ぎると、期日から2カ月までは年利7.3%、2カ月を過ぎると14.6%と消費者金融並みの延滞税が発生します」
相続税をスムーズに申告するためにも、資産リストは必須なのだ。さらに、生前に小額口座を解約してまとめておくことも重要だと森永さん。
「苦労の末、ようやく探り当てた口座が、残高わずか700円というケースもありました(笑)。
この労力なんだったの……という感じです。口座をまとめる際の注意点として、預金額は、金融機関が破綻しても補償される1,000万円を超えないこと」
近年は、ネット証券などデジタル資産にも注意が必要だ。