なぜ『ひょうきん族』は伝説の番組に?専門家語る時代的背景
一方の『ひょうきん族』は収録番組。アドリブを入れ込むなど、出演者のアイデアで勝負できました。実際にその場のノリで発生したキャラもあったといいます」(牛窪さん・以下同)
いわば“悪ノリ”ができたのも、現場の勢い、熱量があったから。
「父がフジテレビの局員でしたので、私は月に1回、たけしさんが好きだというおいなりさんを手作りして携え、撮影現場に連れていってもらっていました。そこで目にしたのは、本番スタート5秒前からカウントダウンで、2までしゃべり続けている、さんまさん(笑)。スタッフの笑い声がそのまま録音されていたり、コーナーによっては裏方のスタッフが登場したりと、内輪ウケ的なネタも満載。そんな“業界通”な笑いが支持を得たのだと思います」
『全員集合』にも加藤茶の“チョットだけョ”のような、エッチな笑いはあったが、基本的には家族で見ることを意識した番組作り。
「『ひょうきん族』は、現在ではコンプライアンスの観点から放送できないような、事件を風刺したどぎついキャラにも挑戦。
また、コントのセットや衣装にはお金がかかるものですが、時代はバブル経済に入る成長期だったことも味方しました」
そして’80年代半ばには『全員集合』を逆転し、日本のお笑い文化をけん引する番組へと成長した。