くらし情報『記憶が消えても絆は永遠!認知症トリオラジオMC「あめちゃんず」』

記憶が消えても絆は永遠!認知症トリオラジオMC「あめちゃんず」

と、さらりと受け流しながら、ゴンちゃんは中村さんの目の前で手を振った。

ハッと中村さんは覚醒!手を振り返して、姿勢を正す。

中村「はい。中村文子と申します」
ゴン「何歳ですか?」
中村「は?90歳(笑)」
ゴン「ここではいちばん年上のお姉さんですねじゃ、天神さ~ん」

ところが、天神ツキミさん(88)は、呼ばれたことに気づかない。

中村さんが「天神さん」とささやいて、彼女の肘を軽く突ついた。

それまで天神さんは小声でブツブツ独り言を繰り返していたが、突然、スイッチが入ったように高々と片手を上げると、大きく張りのある声で話し出す。

天神「はーい!昭和8年2月5日生まれ、天神ツキミでございます。よろしくどうぞ」
ゴン「今日も元気ですね」
天神「元気バリバリ!」

あめちゃんずの3人は、アルツハイマー型認知症を患って、同じグループホームで暮らしている。
お話しするのが大好きで、全く脈略のない話が飛び出し、同じ話題がループし続けたりするけれど、3人ともに短期記憶に若干の難ありだから、そんなことは問題なし。互いの言葉に「それ初耳よ」とばかりに「へえ~」と感嘆の声をあげ、ケラケラと乙女のように笑い合うほほ笑ましいやりとりが、リスナーの心をつかんでいる。

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