2021年6月22日 06:00
「京都の紅茶王」遺産争いの知られざる結末 婚外子の壮絶人生
でも、私は一時期、母を恨んだんです。私は、どんなに貧乏でもいいから、お父さん、お母さんがいる普通の家庭に生まれたかったんです。
だから、あまりに辛いとき『私はお母さんに産んでくれなんて言ってない。生まれる子供がかわいそうとお母さん思わなかったの?』って言ってはいけないことを言ってしまったんです。そしたら母は、『すまない、真里よ。私は、本当に愛して、愛した人の子供を授かったから産みたかっただけだ。許しておくれ』って。私がしたことじゃないのに、全てを被るのは私なんです」
ただ、父との温かい思い出もあるという。
「鮮明に覚えているのが、赤い雛菊の花がいっぱいに咲いていて、強烈な夕日が差していて、まるであの世のような風景の中、着物をきた父と母と3人で椎の実を一生懸命拾った情景です。他にも、これは後から知ったことですが、父が友人を介して『ばれないように真里のを買ってくれ』ってランドセルやひな壇を買ってくれていたそうです。父の友人によると、父は赤ん坊の私を右に揺すったり左に揺すったり、誰よりも喜んでいたそうです」
今後は心機一転、東京に活動拠点を移す予定だという。
「これまでは、母が私を育てるために26歳で自力で買った京都のマンションの経営を大学卒業後から一緒にやってきたのですが、それも母が任意売却しました。