2021年10月11日 11:00
「原点は恩返し」全盲の佐藤ひらりがパラで国歌の夢を叶えるまで
あまり実感もなかったんです。でも、控室に戻ったら、ものすごい大勢の人からお祝いのメッセージが鳴りやまないぐらい来て。そこからジワジワと『私、やったんだなぁ〜』って感動が込み上げてきました」
メッセージの多くにつづられていたのは「ありがとう」という言葉だった。
取材中、笑みの絶えなかった絵美さんが、珍しく声を詰まらせながら、こう続けた。
「……もうね、『感動をありがとう』とか『ひらりちゃん、頑張ってくれてありがとう』とか……、本当に『ありがとう』が、いっぱい届いたんです。私たちの原点は恩返しだから。ひらりの歌で『ありがとう』と言ってもらいたくて始めたことだから。だから、ここまで2人で続けてきて……、本当よかったって。
そう思いました」
■失敗を失敗と思わない。母娘2人、まだまだ新たな夢の途中にいる!
「無謀だ、むちゃだって、もう、散々言われましたよ」
絵美さんはこう言って笑った。
「私たちはこれまで、たくさんの夢をかなえることができましたけど。その過程にはきっと失敗もあったはずなんです。はず、というのは、私たち、失敗と思わないので。それに、自分1人ではかなえられる夢なんてないとも思ってる。