2021年11月3日 18:00
心臓病で旅立った翔平ちゃんの母明かす大谷翔平との“キャッチボール”
「翔平、大谷選手がまたホームラン打ったで!」
川崎家のリビングルームの壁には、いたるところに翔平ちゃんの写真が貼ってあるのだ。そんな写真たちにまざり、知人がプレゼントしてくれた色紙も飾ってあった。
《太志と静葉と翔平がずっと一緒に笑っていけるよう今みんなで一つ一つ乗り越えている三人になってからすごす濃い一分一秒という時間が絆を深め、その絆を運んでくる》
色紙の日付は2017年6月13日、翔平ちゃんの誕生日。文章には静葉さんと太志さんの祈りが込められているように思えた。
■「大谷選手のような強い子に」、翔平と命名された心臓病の赤ちゃん
翔平ちゃんの名前の由来を静葉さんが教えてくれた。
「『翔平』という名前は、悩みに悩んだ末に、生まれる直前に決めました。『翔』という文字には、『大きな志』という意味があるそうです。病気に負けず、大きな志を持ち、大きな心で育ち、大谷翔平選手のように世界を翔る子になってほしい、そして誰にも平等に接することのできる優しい子になってほしいと願い、この名前をつけることにしました」
生まれてくるわが子の名前に、願いを込めるのは誰もが同じだろう。
しかし、翔平ちゃんの命名は文字どおり命がけだったのだ。