2022年2月6日 06:00
「お客さん笑わすための落語を」女にはできないの声跳ねのけ大賞
上方落語の寄席では、高座返しなど裏方仕事を専門とする“お茶子”と呼ばれる女性がいる。
「彼女らは前掛けをしてるんです。でも、当然ですが『私はお茶子と違う、落語家や!』と。ただ、そんときはけんかしてる時間もなく、しゃあなしに前掛けつけて高座返しして。袖に戻った瞬間、パッと外して、投げ捨ててやりました」
■ボロカスに言われた一昨年の決勝で「目が覚めた」。翌年、大爆笑をさらって見事優勝
入門半年後の9月6日。大阪・梅田太融寺での二葉さんの初高座は、大入り満員だった。
「うちの師匠は落語ファンからも正統派と言われていたので。
『米二のとこの女の弟子やて、どんなやつや』と。ふだんは60人ぐらいしか入らんとこやのに、その日は200人以上もお客が入ってました」
大勢の前で披露したのは、古典落語の演目の一つ『道具屋』。
「よう、覚えてません。緊張で、もう声出すのにただただ必死で。でも、そのときは、とちらなかったと思います。その後はよう、とちりましたけど(笑)」
とくに思い出深いのが、入門3年目でやらかした、こんな失敗談。
「『牛ほめ』という演目のネタおろしの日で。それまでは、私が(ネタが飛んで)