くらし情報『「選曲でセンスが試される」加藤貴子が少女時代に熱中したカセットテープづくり』

2022年2月6日 06:00

「選曲でセンスが試される」加藤貴子が少女時代に熱中したカセットテープづくり

街を歩いたり、公園のベンチに座ったりしながら音楽を聴けることが、当時は本当に画期的で。学生服のポケットにウォークマンを入れて、音楽を聴きながら歩いている男子が、それだけでカッコよく見えたりもしました。私は高校まで通う電車の中で音楽が聴きたくて、それでソニーの白いウォークマンを買ってもらったんです」

放課後、サッちゃんという仲のいい友達と、それぞれテープを持ち寄り、1台のウォークマンで、片方ずつイヤホンを使って聴いたりしたという。

「そのサッちゃんに『こんなアルバムがあるんだよ』と勧められたのが、麗美さんの『“R”』(’84年)。麗美さんは松任谷正隆さんが手がけ、ユーミンも楽曲を提供してデビューした、沖縄出身のアーティストです。私は『My Sanctuary』(’86年)というアルバムの中の『Just Only You』という曲がとくに好きでした。この歌詞にあるような、夕陽がさす放課後の図書室で憧れの男子が読書している姿をそっと眺めるといった、いわば疑似恋愛をしながら、“これが青春だ”なんて満足していましたね(笑)。大好きな音楽をイヤホンで聴いていると、周囲から遮断されて、自分だけの世界に入り込める。

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