2022年5月7日 06:00
安藤優子語る認知症の母の壮絶介護「家族だけでは限界あることも…プロを頼って!」
おむつ一枚替えるのも30秒以内で済ませられるんです。私たちが無理して介護することは、介護される側もつらいんだと感じましたね」
入所から1年後、母のみどりさんは「臨床美術」と出合う。ハワイ好きのみどりさんは、ハワイの写真を見たり、フラの音楽をかけながら、専門家の指導の下で週に1度絵を描いた。
「最初は落書きのようでしたが、あるとき、アンスリウムの花を描いたんです。母は、その絵を描いたあと『よく、できた』と絞り出すように言いました。このことは、認知症になってから、自分を否定し不安や怒りの中にいた母が、自己を肯定するきっかけになったようで、その後、認知症の症状が落ち着いていったんです。こうやって母を楽にすることも、家族だけで介護していては思いつかなかったかもしれません。私も目の前にいる母を肯定することができ、関係修復のきっかけになりました」
’14年、みどりさんは朝ご飯を最後の一口まで食べたあと、穏やかに旅立っていった。
壮絶な介護経験を経て、安藤さんが痛感したのは介護における“第三者”の大切さだ。
「家族で抱えてしまいがちな介護の問題。でも、どうか家族以外も頼ってください。それが、自分も親も救うことにつながるんです」
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