2022年9月4日 06:00
元信者で脱会支援する牧師「統一教会2世は、親を否定すると自分はいなくなる」
『自宅で治してこい』と言われ、帰されたんです」
■「スパイは帰れ!」と殴られて。信者になって1年8カ月、19歳で脱会に至った
数カ月ぶりに帰宅すると、そこには両親のほか、旧統一教会の内実に明るい人たちが集まっていた。
「両親は、脱会させる準備を重ねていた。足を負傷し自由に動けない私は1週間、組織のスキャンダルが書かれた記事や資料を見せられながら、缶詰め状態で説得を受けました」
それでも、心は動かなかった。
組織から「きつい説得を受けたら『やめる』と噓をついて逃げ出せ」とも教えられていた。
「私も『やめる』と言いました。両親から『友達はどうするんだ?』と聞かれてしまって」
じつは竹迫さん、高校の同窓生を7人、勧誘していた。
「仕方なく『彼らにもやめるよう勧める』と答えると、私を単独で行かせることを不安視した両親が、牧師を同行させた。
監視役ですね」
松葉杖をつきながら、牧師を伴い、友人宅を回った。
「表向きは脱会しても、隠れキリシタンのように信仰を続けようと思っていた。でも、監視役の手前、友人たちにはそうも言えず……」
友人のなかには牧師が見せた資料を目にして、ショックを受ける者もいた。