2022年10月30日 06:00
女の体は祝福されていると思った ストリッパーデビューの書店員語る舞台の魅力
オープンしたばかりの蟹ブックスで花田さんとトークショー
【前編】文学賞より売れると評判の“新井賞”創設の書店員39歳でストリッパーデビューした理由より続く
「今、何歳だっけ?忘れちゃうんですよね」。そう、キュートな笑みを浮かべる新井見枝香さん(42)が舞台に上がる。東京は上野公園にもほど近い繁華街の地下にある「シアター上野」は、この界隈で唯一のストリップ劇場だ。ダイナミックで明るいナンバーにはハッとするほど美しい瞬間があった。
三省堂書店に勤務していた時には、文学賞よりも売れる!との評判もあった“新井賞”も創設したカリスマ書店員、さらにエッセイストときてストリッパーの仕事も始め、三足のわらじを履く彼女は大忙しだ。なんでその道を選んだの?という質問には、「好きだから!」とキッパリ。輝く場所は自分で選んでいい。彼女の人生をのぞくと、そんなふうに思えるのだった。
■「女の体は美しい」と気づかされた舞台
〈見枝香よ、書を捨てて小屋へ行こう。おやつは鰻だ〉
これが、直木賞作家であり新井賞を受賞したこともある桜木紫乃さんから届いた、ストリップ観劇への誘いだった。
「大好きな桜木さんに会える、わー、鰻だ、で喜んで出かけたといいますか(笑)。