2022年10月30日 06:00
女の体は祝福されていると思った ストリッパーデビューの書店員語る舞台の魅力
こんな自由でいいんだ、そうか、私の体も、そして私自身もこのままでいいんだと、そう思えたんです」
■自分の中にある声に耳を傾けることが大事。好きなこと、楽しいことは全部やっちゃえ!
「久々に桜木さんが上京してくるのよ。見枝香ちゃん、内緒で、あなたがストリップの舞台に立って、驚かせてみない?」
20年1月。相田さんからの思いがけない誘いを、軽い気持ちで受け入れた新井さんだった。
「最初は、ただ桜木さんをびっくりさせたいという下心だけ。でも実際にステージに立ってみて、自分の身一つが動くたびに視線が集まるのが、純粋に心地よかったんです。自然に涙も流れていました。客席に、リボンを投げ入れる伝説の“リボンさん”という70代の男性がいるんです。
気づいたら、舞台の私のまわりでもリボンがハラハラと舞っていて。ああ、これは祝福されているんだと。その客席も含めて、照明さん、音響さんらスタッフ、そして私たち踊り子も、みんなで力を合わせて最高の舞台を作り上げようとしている、その一体感に感動して。そして、ふと思ったんです。私は“こっち側”の人かなって」
ステージを見守っていた相田さんにも確信があったのだろう。