2022年10月30日 06:00
女の体は祝福されていると思った ストリッパーデビューの書店員語る舞台の魅力
「踊り子になったら?」
「はい」
迷いなく答える新井さん。早くも、翌2月には福井県のあわらミュージック劇場にてストリップ・デビューを果たしていた。39歳だった。
こうして三足目のわらじ生活となったが、書店員としては、19年4月に三省堂書店を退職して、翌月から女性のための書店をコンセプトにしていたHMV&BOOKS日比谷コテージ店で勤務していた。同店の店長で、やはりカリスマ書店員の花田菜々子さんにスカウトされての転職だった。
「ストリップの話があって、まず花田さんに相談したら、『おもしろいじゃん』と」
職場の快諾を得たのはよしとして、素朴な疑問だが、そもそも人前で裸になることに恥ずかしさはなかったのだろうか。
「いやいや、脱ぐよりも恥ずかしいことって、日常のなかにもあるじゃないですか。自分のかかとのカサカサを見られることとか(笑)。
年齢についても、意識したことないです。ていうか、あれ、私、今何歳だっけ!?って、よく思ったりします」
以降、シアター上野をホームシアターとして、静岡県の熱海銀座劇場や神奈川県の大和ミュージック劇場など、衣装を詰めた鞄を抱え地方も巡る生活が続く。
「10日って長さが絶妙です。