2022年11月26日 06:00
原千晶 父が「お前、載ってるぞ!」と驚いた役所広司とのリアル失楽園秘話
原宿にいたっては別世界。初めて竹下通りの人混みの中を歩いた高揚感は、今でも忘れられません」
そんな東京への憧れもあり、’90年に東京の女子高へ進学した。だがここで人生初の挫折を経験する。
「すごく背伸びしていたんだと思います。たくさん友達を作らないといけないと、鼻息が荒すぎたみたいで……」
仲のよい友達もできたが、夏休み中に、うっかり友人の秘密をバラしてしまった。
「それで2学期に入ると、全員から無視。夢に描いていた高校生活とのギャップに耐えられず、学校に行けなくなってしまいました」
毎朝、家族が外出するのを見計らって部屋を出て、居間のテレビをつけた。
「唯一、外の世界とつながれるのがテレビ。
ワイドショーで芸能ネタを見てから『キユーピー3分クッキング』(’62年~・日本テレビ系)、『笑っていいとも!』(’82~’14年・フジテレビ系)。それから昼ドラ、午後のワイドショー……。家族が帰ってくる夕方には再び自室にこもるような生活で、テレビだけが癒しでした」
出席日数の不足で留年が決定したことから退学を決意。翌年、別の高校へ入り直し、もう一度、高校1年生から始めた。
「あまり気負わないようにして学校に通っていると、自然と仲のいい友達ができたこともあり、少しずつ本来の自分を取り戻していきました。