2022年12月21日 06:00
腸内環境のバランスを崩す薬12 下剤、胃腸薬、抗菌薬の多剤・長期服用に注意を
しかし、どんな薬にも副作用はある。これからは腸内環境のバランスを崩す副作用も考えることが不可欠だ。
「特に、多剤服用は腸内環境のバランスにとって要注意です。今回の研究では、対象者のうち、10種類以上の薬剤を服用していた人が14%も。また、腸内細菌は一時的にバランスを崩しても元の状態に戻ろうとする力がありますが、長期の服用には特に気をつけたほうがいいでしょう。多剤服用や長期服用で、免疫の働きをサポートする菌が減少するだけでなく、感染症を引き起こす病原菌や、抗菌薬が効きにくい薬剤耐性菌が増加するなどが明らかになりました。病気を治すために飲んでいる薬が腸内環境のバランスを崩し、別の病気を招く可能性も。今、飲んでいる薬が本当に必要か見直すことも重要です」
腸内環境のバランスを崩すリスクがある主な薬は次のとおり。
■胃腸薬(胃酸分泌抑制薬)
【プロトンポンプ阻害薬(PPI)】
成分:オメプラゾール/ラベプラゾールナトリウム/ランソプラゾール/エソメプラゾールマグネシウム水和物
リスク:胃酸の分泌に関わるプロトンポンプと呼ばれる酵素の働きを妨害し、強力に胃酸の分泌を抑制。胃酸で死滅する口腔内細菌が腸まで届いてしまう。