2023年2月26日 06:00
オリコン常連で中卒の作詞作曲家・岡嶋かな多さん「音楽を作って辛さも悲しさも成仏させてきた」
あっ、私の歌は人を楽しませることができるのかな、って」
一方では、活発さも健在。バドミントン部では部長もつとめ、都大会へ出場したことも。初めて曲を作ったのは、中3だった。
「まず図書館で『指3本ですぐピアノが弾ける』という教則本を借りて自己流で始め、その後、父に初めておねだりして録音機能のついたキーボードを買いました。作った曲をカセットテープに吹き込んで、友達にプレゼントしたり。テーマは愛と受験でした(笑)」
音楽で少しずつ変わっていく自分に気づいて、ハッとする。
「10代の私は、自分に未来なんてないと思っていました」
それから彼女は、今の自分を知ってもらうためにもと、アメリカ時代のつらい体験を話してくれた。
「ある大人から、卑劣な行為を受けていました。
誰にも打ち明けられず、帰国後も自分はこの世界の汚物で、早く消えてしまうべきだと思い続けてました」
音楽との出合いを、彼女は「成仏」という言葉で表現した。
「深い苦悩や葛藤を抱えきれないときはワーッと泣いて、詞を書いて、曲を作って、歌って。そうやって弱い自分を成仏させていった。ずっと生きる価値を感じられなかった私にとって、唯一の希望をくれたのが音楽でした」