ステージ4の末期がんを抱えながらキッチンカーを走らせる子ども3人ママ
なんと秋吉さんは2020年、42歳にして佐賀女子短期大学を受験し、入学を果たすのだ。
「栄養士の資格を取ろうと思ったんです。自分の病気、それに息子のアレルギーのこともあって、食の大切さを痛感したので。もう一度、学び直したいと考えました」
思えば、「100のこと」にも「栄養士をとりたい」「短大に上がりたい」と記していた。そして、2年後の昨年3月、秋吉さんは短大を無事卒業。栄養士の資格も取得した。
しかし、達成感に浸ったのも束の間、4月になると体調が急変。がんが大腸にも転移したのだ。
「栄養士として働き始めた矢先でしたから、最初にがんが見つかったときよりもショックでした。新たに飲み始めたがんの進行を遅らせる薬は1錠およそ5千円と、たいへん高価で。そのうえ副作用の強い下痢にも苦しみ、10kg以上体重も落ちました。やがて腸閉塞も併発して、激痛で意識をなくしそうになって、病院に担ぎ込まれることになったんです」
そして昨年7月。主治医は秋吉さんにこう告げた。
「このような状態が続けば、余命は2カ月ほどかもしれません」
■「どうせ死ぬんやったら」自分の“店”キッチンカーのハンドルを握ることを決意
余命宣告を受け、心が折れそうになりながら、秋吉さんはまたも前を向いた。