ウクライナから決死の脱出 ソ連で生きてきた日本人男性の平和への願い
■ミサイルが上空を飛び交い、頻繁にサイレンが鳴り響く夜。この状況が日常となって
現在、北海道の旭川で英捷さんが一人暮らしをするのは緑豊かな高台に立つ公営住宅。妹のレイ子さんがすぐ隣の棟に暮らす。
ウクライナから英捷さんとともに日本に避難した孫の妻のインナさんは、着いた早々に妊娠が判明。1カ月も滞在せず、娘のソフィアちゃんとともにウクライナへ帰還した。やむなく大学を休学していた孫のヴラーダさんも、1年5カ月を日本で過ごしたのち、復学のために故国で生きる道を選択した。
ウクライナの現状を目にした英捷さんは現地に思いを馳せる。「彼女たちが無事で生きていってくれることを祈るしかありません。
ジトーミルはいまだにミサイルが上空を飛び交い、頻繁にサイレンが鳴り響く夜が続いている。いまやこの状況が日常となってしまっているのです」
私は軍事専門家ではなく、普通の市民である――と前置きし、英捷さんはこう訴える。
「戦争は絶対にしてはいけない。当初半年で終わるといわれていた戦争は2年近くも続いています。いったいいつ終わるのか。親戚同士、兄弟同士で殺し合うこともあるのです。そんな悲惨な戦争は早く終わらせなければなりません」
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