ひとり暮らし高齢女性の4割超が貧困に…夫と死別後、生活保護になる事例も
相対的貧困率とは、全世帯員を考慮して計算した可処分所得(手取り)の中央値の半分である貧困線に至らない人の割合のこと。厚生労働省によると2021年の貧困線は127万円。つまり、65歳以上の独り暮らしの女性の2人に1人近くが、年間の可処分所得が127万円未満ということになります」
多くの独り暮らしの高齢女性が月11万円に満たない収入で、生活を送っているのだ。京都府に住む66歳のA子さんも、そんな女性のひとりだ。
「元夫は高給取りのサラリーマンでしたが、40代のときに夫が不倫したことが原因で離婚に踏み切りました。それからは、養育費とパート収入で何とか生活していましたが、子供が大学を卒業し、養育費がなくなったことで生活が一変。困窮するようになりました。
昨年、ようやく年金生活に入ったのですが、夫の厚生年金の一部を受け取れる“年金分割”は微々たるもの。
基礎年金を合わせて月8万円ほどしかありません。マンションの管理費が払えなくなって、安いアパートに引っ越すことに。今後はマンションを売って手にしたお金を取り崩しながら生活していくほかありません」
■夫の死後に妻が生活保護になった例も
なぜ、独り暮らしの高齢女性は貧困に陥りやすいのだろうか。