ひとり暮らし高齢女性の4割超が貧困に…夫と死別後、生活保護になる事例も
お互い月13万~14万円の年金をもらい合計30万円弱で生活していたので、夫の死後、収入は半減したのです」
■物価上昇で増加する貧困“独り暮らし女性”
今後、独り暮らし女性の生活苦は改善するどころか、ますますひどくなっていく公算が大きい。
「もともと、物価や賃金が上昇すれば、年金額も同じように上昇していたのですが、マクロ経済スライドという制度が導入され、年金受給額の上昇は抑制されています。物価が上がれば上がるほど、年金の価値は目減りしていくのです」(経済部記者)
ますます貧困リスクが高まるなか、もっとも重要なのは働くことだと、寺門さんは力説する。「令和時代に老後生活を支えるのは、WPP(Wは就労延長、2つのPは私的年金と公的年金)の3本柱。まずは働き、離婚や死別しても自立できるようにすることが重要です。現在、厚生年金の適用拡大により、パート主婦でも厚生年金に加入できるチャンスが増えています。年金保険料を納める分、手取りは少なくなりますが、将来の年金を上乗せできます。そして働いて得たお金の一部をNISAやiDeCoに回し、将来に備えることもできます」
年金の繰下げ受給をして年金額を増やすことも要検討だ。