第109灯 お家の中も心の中も掃う、祓う、拂う!箒がもたらす穏やかでしあわせな感覚とは
ときかれても、「ううん!わたしにさせて!」とありがたい申し出を断るくらいになってしまったほどです(笑)
箒で掃くようになったら、どんなゴミがどのくらい出るのかがわかるようになりました。掃除機を使っていた頃は、どんどん吸い込まれていくのでその内容や量を全く把握していませんでしたが、毎回毎回自分の目で見ることで、暮らしていることを実感するようになりました。「これは昨日ぬか床をかきまぜたときに落ちた糠のカスだな」とか、「これは昨日衣替えをしたときに出てきた糸くずだな」とか、昨日と今日を結ぶことになるので時間が続いていることを実感して生きていることが鮮明になります。日々の汚れを見ないまま過ごすということは、自分を見つめるきっかけを失い、汚いものは見ない知らないという無責任で他人任せな生き方につながっているようなきがしてきました。それは原発が抱えている問題と同じかもしれません。戦後便利さを追求して家電製品に頼っているうちに、それまで掃除を通して保たれていた人間としての大切な何かが、70年という時間のなかで失われてきた可能性がありそうです。
掃除の掃という字は、「掃く」