第109灯 お家の中も心の中も掃う、祓う、拂う!箒がもたらす穏やかでしあわせな感覚とは
の他に「掃う(はらう)」という使い方があります。同じ「はらう」でも、「祓う」や「拂う」という言葉もあります。一休さんのようにお寺では僧侶が掃いているイメージがありますし、神社では「お祓い」などのご祈祷がありますし、「はらう」ことにはどうやら神聖な要素がありそうだとこの経験からにらんでいます。そこで思い出したのが、赤塚不二夫さんが描かれた「天才バカボン」に出てくる箒を持ったレレレのおじさん。所説あるそうですが、「バカボン」とは「薄伽梵(バギャボン・バガボン)」という仏教用語でのお釈迦様の敬称で、かの有名なバカボンのパパが言う「これでいいのだ」は、“あるがまま” “ありのままを受け入れる”という悟りの境地のことだそうで、実は深い哲学的な漫画であると聞いたことがあります。「レレレのおじさん」は、お釈迦様の弟子であるチューラパンタカという人物がモデルとなっていて、自分の愚かさに苦しんでいた時に、お釈迦様から勧められた毎日掃除をして妙法蓮華経を唱えるという修行を通して、「真に払い除くべきものは、実は自分の心の中の塵であり埃なのだ」と悟りをひらいたそうです。