年金受給の納付期間短縮にみる「政府の思惑」専門家が指摘
「今年8月から『10年短縮年金』が始まります。これまで、公的年金を受給するには25年以上の納付期間が必要でしたが、8月以降は10年に短縮されます。昨年11月に改正法が制定されました。実際に、年金が受給できるのは9月分からで、入金は10月です。対象者の約74万人には、順次、手続き書類が郵送されています。受給には、年金事務所などでの手続きが必要ですから、早めに済ませましょう」
こう話すのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。これまで年金をもらえなかった人でも、要件を満たせば年金を受け取れるようになる、10年短縮年金。ただし、「国の思惑は、年金問題の解消とはまた別のところにある」と荻原さんは言う。
そこで荻原さんが、10年短縮年金を解説してくれた。
「国民年金の受給額は、年金保険料を納めた期間によります。40年間保険料を納めた人は、現在、満額の月約6万5,000円を受け取っています。これに対し、納付期間が10年の方は、満額の4分の1、月約1万6,000円の受給となります。存命中はずっと受給できますから、まったくないよりはいいでしょうか。もちろん、納付期間が15年、20年などと長い方は、納付した期間に応じて年金額が増えます。