専門家が警鐘を鳴らす「“再稼働”で危ない全国の原発」前編
そこで現在再稼働中及び再稼働申請中の原発のなかで、最近明らかになってきたリスクとその理由を小野さんほか専門家らに挙げてもらい、危険な原発11のリストを作成した(表参照。再稼働ではないが、建設中の大間原発、工事中の東通原発も含む)。
「それらの原発のうち、特に危険性が憂慮されるのは浜岡原発(静岡県)です。日本列島は、世界で唯一、4つのプレート(地球の表面を覆う岩盤)の上に乗っていて、プレートの交点にあるのが、浜岡原発なのです。近い将来、高確率で起きると言われている東南海地震の震源域の真上に建っているのですから、世界的に見ても浜岡ほど危険な原発はありません」(小野さん)
かねてから危険性が指摘されてきた浜岡原発だが、その立地も危険度が高い。
「日本の上空には、西からの風が吹いているので、浜岡原発で事故が起きたら首都圏は風下になり放射性物質の影響をかなり受けると予想されます」(小野さん)
しかし、そんなリスクの高い浜岡原発ですら、現在、安全対策を終え、再稼働に向けた審査が進んでいる。
記者が浜岡原発を訪れると、原発前の海岸に白い砂浜が続き、敷地を囲むように海抜22メートル、長さ1.6kmの巨大防潮堤が建てられていた。