くらし情報『西陣織伝統工芸士、パリでのショー実現させた“亡夫との約束”』

西陣織伝統工芸士、パリでのショー実現させた“亡夫との約束”

 

「だいたい緯糸5本、つまりいまの作業を5回繰り返して、絵柄が1ミリほどできます。縦20センチの絵柄を織ろうと思ったら1,000回。柄の色ごと、糸ごとにそれを繰り返すので……1日かけてもほんの少ししかできません。細かく難しい柄になると、朝から晩まで根詰めて作業しても、織り上がりはたった1センチ、なんてことも多々あります」(小玉さん・以下同)

これまで、文部科学大臣賞など、名だたる賞を数多く受賞してきた。だが、そのキャリアのスタートは意外にも28歳と遅かった。

「この世界だと28歳でも中年のおばちゃんだといわれましたね。しかも、最初は主婦のパートだったんです。結婚した夫の実家が京都で。
夫の両親と同居を始めたとき、たまたま見つけたのが、近所のつづれ屋さんの『織り手募集』の張り紙。そこには『素人可』と書かれてたんです」

大阪生まれ、西宮育ちの小玉さん。父親は普通のサラリーマン。それまでに京都で暮らしたこともなければ、織物や伝統工芸とも、まったく無縁の生活だった。大阪府警に勤務していた7歳上の夫・俊男さんと結婚したのは’74年、小玉さんが21歳のとき。

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