『黒革の手帖』女性Pが米倉涼子に吐かせた“どす黒い本音”
ドラマづくりの地味な部分も、まるで“土木作業”のように黙々とこなして、“総合職のパイオニア”として、時代を切り開いてくれました。私の世代は、先輩が懸命に耕してくれたところを受け継ぎ、次の世代につなげていかなければと思っています」
内山「私は『黒革の手帖』(’04年)以来、強いヒロインものが好き。自分でドラマを見るときも、偽善的なキャラクターが苦手で、登場人物には、なかなか表に出せない“人間の本音”を言わせたいんです。たとえダーティであっても、本音で語るキャラクターづくりを大事にしています」
そんな内山さんが手がけたドラマ『黒革の手帖』のなかで、米倉涼子演じるヒロインが横領をした銀行の上司から「金を返せ」と迫られ、「初めて私の目を見て話してくれましたね」と返すシーンがある。
内山「これは私も味わった男性社会で“人間扱いされない”感じを表現したもの。“20代で結婚”が普通の時代に、社会に出た友人たちが会社でスポイルされ、辞めていくのを見てきた経験が大きいかもしれません。