きっかけは外資系企業への就職…女性が「茶道」をビジネスに
を設立したのは、’14年9月。日本人はもちろん外国人観光客に茶道体験プログラムなど、日本の伝統文化を提供する事業を行っている。
冒頭の「ワールド・ティー・エキスポ」に初参加したのもこの年である。竹田さんのお茶のデモンストレーションは評判を呼び、その後もパリをはじめ、中国の厦門、バンコク、ロンドン、ミラノなど、各国の見本市や博覧会でお点前を披露してきた。
竹田さんは’66年2月、東京・神楽坂生まれ。母は裏千家の正教授、祖父は掛軸の表装を手がける表具師である。竹田さんが、お茶の力を痛感したのは就職してからだ。青山学院大学を卒業後、日本IBMに入社。
配属された部署はコールセンターだった。
「ヘッドセットのマイクをつけて、お客さまからのクレーム対応です。『早くなんとかしてほしい!』とか『プリンターがつながらないじゃない!』など、一日中怒られてばかりです」
身も心も疲れきって帰宅する毎日だった。そして気がつけばお茶を点てていた。学生時代から母の手ほどきを受けていた竹田さんだが、そのありがたさが身に染みたのが、苦しかったこの時代だ。