きっかけは外資系企業への就職…女性が「茶道」をビジネスに
「家に帰ってお茶を点てると……ほんとうに無になれたんです。重くのしかかっていたストレスがスコンと空になって、次の日にはまったく新しい気持ちで仕事に行ける。茶道の力だと思いました。やはり、日本文化には、何かすごいパワーが備わっているのだと思いました」
やがて、コールセンターでの実績が認められ、竹田さんは人事部の部長付秘書に抜擢された。外資系企業だけに、取引先など多くの外国人が訪れる。そんなとき、竹田さんは少し複雑な、寂しい思いをすることが多かったと話す。
「お客さまから日本文化について尋ねられても、上司や先輩のほとんどがきちんと答えられなかったのです。お茶について聞かれても、『茶道?自分はやったことがないから』って。
そこで話が切れてしまったりして。外国の方は自国の文化に造詣が深いので……。そのような様子を見ていて、日本人なのに、こんなにも茶道は知られていないのか、と」
そしてあらためて気づいた。
「茶道は、すべての日本文化につながっているのです。