きっかけは外資系企業への就職…女性が「茶道」をビジネスに
こうして、「茶禅」を設立。
「自分で茶禅の資料やチラシを作って、旅行会社やホテルなど、一軒一軒、営業にまわりました。初めは『置いといて』と素っ気なくされることが多かったです。そもそも、茶道体験をビジネスとして展開しているところは、少なかったようです」
だが、時代の流れが茶禅を後押しした。“おもてなし”が流行語になった東京オリンピックの開催決定や、国の政策もあり、茶禅を設立した’14年の約1,341万人から、’15年が約1,974万人に外国人観光客は急増。さらに’16年は約2,404万人まで増加した。旅行会社やホテルから茶道体験の依頼が来るようになった。海外でのデモンストレーションも好評を博し、ビジネスは軌道に乗る。
「茶道というと格式高いというイメージがあるかと思います。海外ではなおさらです。私はどうにかしてもっと身近なものにしたいと思っています。子どもにも若い人たちにも、格好いい、クールと言ってもらえるような。お道具にしても、どんな器でもいいと思うんです。実際、マグカップを持参してきた方に、一服点てて差し上げたこともありますよ(笑)」