『陸王』にも出演、“ブーム仕掛け人”語る足袋の将来
「ちょうどそのころ、カラフルで派手な着物が好きな知人から、この着物に合う足袋を作ってほしいと問い合わせがあったんです」
だが、同社が扱っていたのは白衣や作業着など。足袋のノウハウは持ち合わせていなかった。
「試作品の1号として、黄色地に黒い水玉模様が入った布を持って、近所の職人さんのところに行ったんです。さすがに最初は『こんなの誰が買うの?』『なんでこんな変なものを作らなきゃいけないんだ』と言われたものです」
それでも職人を説得して、SAMURAI TABIを完成させると、将来性を感じずにはいられなかった。
「靴下が普及し、洋服文化が広まったことで足袋は廃れましたが、SAMURAI TABIは洋服にもジーパンにも合う。靴よりむしろ“新しい”と思ったんです」
地域活性化の一助となればとの思いで開発したが、肝心の行田出身者は“いまさら足袋なんて”とマイナス思考だったという。しかし小松さんは、視野を広く持ち、海外にも目を向けていた。
「’15年にはパリのジャパンエキスポに出店しました。