健康的住まいのため…大学教授語る「断熱リフォーム」の利点
(伊香賀教授・以下同)
さらに健康や安全性の劣る住宅は改修、解体を命じられるのだそう。
「家の中が寒いと実感していても、コスト面から床暖房やペアガラスの導入を後回しにしてしまう人が多いのが現状です。たとえ工事費が100万円かかったとしても、冬場に集中する病気の発生リスクを減らし、将来負担する医療費や介護費を削減できると考えれば決して高くはないと思います」
また、伊香賀教授によれば、室温が3度暖かくなることで脳年齢が6歳若く保てるという調査結果もあり、認知症の予防効果も期待されているという。さらに介護施設の調査でも、暖かく湿潤な環境の施設では、要介護度が悪化しにくいことが明らかになっているというから、まさにいいことずくめだ。
さらに、高断熱住宅は高齢者だけでなく、子どもの健康にもよい影響があるという。
「複数の幼稚園で床材と園児の活動量の関係を調査したところ、無垢材+二重床の園舎はコンクリート+複合フローリングに比べ園児の活動量が多く、病欠が少ないという結果が出ています」
国土交通省も平成26年度からスマートウェルネス住宅等推進事業をスタート。