「小保方晴子日記」にみるリケジョの星はなぜ注目されたのか
STAP細胞発見の報道から、気づけば4年。最近はニュースでも見かけなくなった元理化学研究所(以下理研)研究員の小保方晴子さんですが、3月25日に処女作から約2年ぶりの手記を出版。今回は理研でのSTAP細胞騒動終焉後の、2014年12月以降の小保方女史の日常が、日記として綴られています。
騒動後も彼女の生活は“平穏な日々”ではなく心身を崩し、マスコミに追われ、刑事告発があり、また在学していた早稲田大学からは博士号を剥奪。その際の苦しい心中が、表現力豊かに語られています。
本作の内容はSTAP細胞騒動後に起きた出来事に関する記述も多いのですが、主だった内容は彼女の生活からの視点。傷つきながらも立ち向かおうとして、心を折り、また立ち直ろうとする。まさに三歩進んで二歩下がる姿が描かれています。
センセーショナルな割烹着姿の女性がさまざまな“進化”を遂げたのも衝撃ですが、今思えば彼女はなぜ彼女はスターとなってしまったのか。本書を読みすすめながら、研究者としての側面以外の彼女の顔を考えてみたいと思います。