2018年4月21日 11:00
芥川賞作家・若竹千佐子「家族に尽くす人生で幸せにはなれねぇの」
完成した小説を最初に読んでほしかったのは和美さんだし、『文藝賞とったよ、芥川賞もらったんだよ』って、真っ先に報告したいのも和美さんなのに、もういないんだから……本当に、寂しいですよ」
若竹さんは目に涙をたたえながらも、力強く続けた。
「でも、しょうがないですね。一度に2つの幸せを握ることは不可能なんです。あの人が生きていたら、私、小説を書けていないから。私、やっぱり小説家になりたかったんです。和美さんには生きていてほしかったけれども、小説家でなかったら、嫌なんです。和美さんが生きているか、小説家になるか、どちらか選べと言われたら、私は小説家になることを選びます。それが、私の正直な、本当の気持ちなんです」
自らが主人公の人生を歩む--若竹さんは力強く爽快な宣言とともに、小説家として、第二の人生を歩み始めた。
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