2018年5月26日 16:00
陸上自衛隊初の女性連隊長「部下がいたから逃げなかった」
18歳から54歳までの20人ほどの男性ばかりの小隊を持ったわけです」
何度も転職を考えた。もやもやした思いは、10年も続いた。
「常に、辞めたかった。できれば、逃げたいと思っていました。それでも、逃げなかったのは、部下がいたからです。何にも知らない私を一心に支えてくれるんですよ、20人の部下たちが」
あるときは、運動が苦手な澤村さんの駆け足のタイムを縮めようと、部下が総出で応援してくれたという。
また、澤村さんの入隊当時は、女性自衛官もごく少数で、男女別の施設はなく、お風呂は男女入替え制だった。そんな環境の中、別の部隊の男性に、お尻を触られたこともあったという。
「でも、そのとき私の部下が烈火のごとく怒ってくれたんですよね。『うちの小隊長に何をするんだ!』って」
部下たちが、常に敬意を払って、誠実に接してくれることが、澤村さんをリーダーとして成長させていった。
「この人たちを置いて、逃げちゃいけないと思ったんです」
30歳を前に、京都の関西補給処で組織改編に携わったとき、幹部として業務を作り上げる厳しさ、辛さと同時に面白さを知った。