2018年5月26日 16:00
陸上自衛隊初の女性連隊長「部下がいたから逃げなかった」
それでも入隊したのは、当時、交際していた彼が、「自衛隊いいんじゃない?」と、言ったから。いわば“でもしか自衛官”。軽~いノリでの入隊だった。
「ですから、自衛官になった10年間は、本当に悩み続けました。このまま自衛官でいていいものだろうか、と--」
自衛隊での生活は、カルチャーショックの連続だった。
「最初から、陸・海・空の一般幹部候補生としての扱いでした。私は乗り物がまったくダメで、船は極端に船酔いするので、海自という選択肢はありませんでした。陸自にも思い入れはなかったんです」
同期の幹部候補生のほとんどが、防衛大学校の卒業生。
すでに、自衛隊幹部として役割も、隊の雰囲気も、おぼろげながらわかっていたはずだ。しかし、カトリック系大学出身の澤村さんにとっては、自衛隊は別世界。
しかも、入隊時に配属された7000人の部隊の中で、女性幹部は澤村さん、たった1人だけだった。
「そんなぽっと出の、20歳そこそこのお姉ちゃんがですよ。いきなり小隊長になるんです。