2018年5月26日 16:00
陸上自衛隊初の女性連隊長「部下がいたから逃げなかった」
(澤村さん・以下同)
外務省を目指したのは、大学時代のフランス語の恩師、渡邊頼純先生(現・慶應義塾大学教授)の影響だった。
「渡邊先生が『国際的な機関を目指してください』と、おっしゃるので(笑)」
渡邊先生自身は、ベルギー留学中、海軍提督の家にホームステイした経験から、軍人に対して非常にいいイメージがあったという。先生に「外交と軍事は表と裏です。本来、軍人は、社会的なプレステージが高く、見識豊かになれる職業です。自衛隊はどうですか?」と言われ、軽い気持ちで受けたのが、自衛隊の幹部候補生試験だった。
「そうしたら、受かってしまって。『国防の任に燃えて』ということもなく、ポコッと合格してしまったんです」
’95年、幹部候補生学校に入校。’96年、第13後方支援連隊補給隊から、そのキャリアをスタートした。
とはいえ、心の中は不安しかなかった。
「極めて不適切ですよね。入隊の動機が脆弱で、そもそも義理で受けただけ。『入隊しても、マックス3年』なんて言っていて。腰掛けOLくらいのつもりでしたから」