母親は11歳の時に他界、父親とは14歳で解散。麒麟・田村裕が子どもの気持ちに寄り添いまくる理由
10歳と8歳の女の子と、4歳の男の子を夫婦で育てる田村さんが綴った新刊『ホームレスパパ、格差を乗り越える何も変わらなかったから考え方を変えた』(KADOKAWA)から一部をお届け。
第二回は、家族の「解散」経験を持つ田村さんならではの視点で、子どもたちに接するときに意識していることについて。それは、自分自身が幼少期にどう感じていたかを思い出すということでした。
子供の気持ちを理解するためには子供の時を思い出せ!
これはもしかしたら、僕が特殊な環境で育ったから、特殊な記憶になってしまっているのかも知れません。
まず、父親が変わり者(『ホームレス中学生』参照)でほとんど喋った記憶がなく、思い出の数が少ない。
母親は僕が11歳の時に他界、父親とは14歳で解散して親との思い出が少なく、一つ一つが色濃いので「お父さんのあの言い方嫌だったな」とか「お風呂で体を洗われている時、力強くて痛かったな」とか「優しく言うてくれたらこっちも頑張れたのにキツく言われて反骨心が芽生えちゃって素直に聞けなかったな」とか憶えているので、子供の気持ちに寄り添いまくって嫌にならないように気を付けて接しています。
僕も体を洗う時につい力が入ったりはしてしまいますが、その辺はご愛嬌で、咄嗟に叱りたい時も言葉の選び方に気を付け、会話が増えるように興味のないものでも興味を持ち、親の都合や勝手なルールを説明もなしに守れとは言わず、なぜそうしてほしいのか理由を説明し、共感出来るかを確認します。